夫婦間の借金

私は30代女性です。
夫婦間のお金の貸し借りを、なんとか乗り越えたエピソードになります。結婚したときに貯金がゼロに等しかった夫と、ある程度の貯金はあった私。もちろん自分の貯金額は夫に言うつもりはありませんでしたし、今後も言うつもりはありません。夫にほとんど貯金がないことに少なからず不安は感じていましたが、結婚すれば変わってくれると信じて結婚をしました。

結婚して一年ほどは、共働きで順調な生活を送っていたのですが、そんなときに夫が勝手に仕事を辞めてきたのです。次の仕事も決まっていないのに仕事を辞めたことに大きな憤りを感じながらも、転職活動をしているようだったので、転職先が決まるまでは黙って見守ろうと思っていました。

ところが、なかなか転職先が決まらず、あっという間に一年が過ぎました。お金の管理は夫婦それぞれがしており、夫には家賃と光熱費を任せていたのですが、恐らく貯金もなくなり失業手当もなくなってきたであろうという頃、案の定、健康保険、税金、国民年金、家賃の督促状が届きました。

夫婦間での借金は、今後の関係に大きなヒビが入ると思っていたので、私がお金を貸すことは最後の手段だと決めていました。夫から私への相談は一切なく、どうするつもりだろうかと見ていたのですが、このまま滞納するのは許せない、消費者金融から借りられるのも許せない。見るに見かねて、私が貸すことを提案しました。夫が支払えないからといって、私が支払ってしまっては、このことで夫を一生許せなくなると思い、あくまでも貸すというかたちにしました。

夫婦間であっても借用書は作成し、この一件が自分たちの関係にマイナスになることは承知のうえで、これから長い年月をかけて私にお金も信頼も必ず返していくという覚悟をしてもらいました。特に妻が夫にお金を貸すというのは、頑張って働いてきてくれる主人をたてて、奥さんは家を守るという夫婦の関係、男女の関係を壊してしまうことで、もう修復できないかもしれないという不安もありましたが、いつか、あんなこともあったねと笑える日がくることを信じることにしました。金額200万円。もちろん無利子です。簡単に返せる額ではないので、これから地道に返済をしていくうちに私のことが嫌いになったり、私を殺したりしないでねという約束もしました。

昔は、愛とは信じることであるという言葉の意味が理解できていませんでしたが、今はよく分かります。その後、無事に就職をして無事に全額返済してもらいました。夫婦の危機をなんとか乗り越えられたとは思います。それでもやはり、あの借金の一件は、私たち夫婦にとってプラスかマイナスかといったら、マイナスでしかありません。私の記憶の中でも一生不信感として残ると思います。借金をするというのは、それだけ重大なことであると認識し、できるだけ借金などしない生き方が幸せだと思います。